第9回「いじめ・自殺防止作文・ポスター・標語・ゆるキャラ・楽曲」コンテスト
 作文部門・優秀賞受賞作品
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 『 学校でイジメをなくす方法』
        


                                                  うしがえる

 学校でイジメをなくす方法は簡単です。休み時間中にも、ちゃんと、まともな先生が教室にいればいいのです。イジメは休み時間中におきます。休み時間だけでなく、朝のホームルーム前の時間や、放課後の誰もいない教室、倉庫など先生がいない場所、目の届かない時間にイジメは起きます。
 朝の時間に関しても、先生が教室に来てから、生徒が来れるように時間設定をしていただきたいです。生徒はこの時間にグループ化した友人同士でかたまり、仲間に入れない子や、またグループの中に入れても、無理して仲間とつるんでる感じの子は、イジメの標的になりやすいです。先日起きた中3刺傷事件も朝の時間に起きていました。学校の先生が教室に配置されてから生徒を教室に入れるという様にすれば、ふせげる事故です。
 また、一時間ごとに先生がいなくなる10分休憩も生徒からしてみたら残酷です。生徒はグループ化するので、ボスグループのイジメの標的にされた生徒は本当に悲惨です。毎時間おきに来る陰湿なイジメに耐えなければなりません。精神虐待に耐えうる子供は少ないです。先生に告げ口して先生に注意してもらった所で、また先生のいなくなる次の休み時間にイジメっ子達から報復されたりするので、イジメが悪化することを恐れて告げ口出来ずにいる子供がたくさんいます。
 また、子供が感じる10分は長いです。イジメられっ子が一人ですごすには長いのと、イジメっ子が、イジメられっ子の所に来て嫌がらせをするには充分な時間です。イジメられっ子がこんな時間を授業後の毎時間おきに味わっていたら、病んで当然です。学校生活が拷問生活に変わります。誰にも相談せずに自殺を選ぶのも当然です。相談した所で報復されてイジメが悪化するかもしれないのですから。
 しかし、休み時間なども、まともな先生が教室内にいて、生徒の様子を見守ってくれていたら、イジメの相談もしやすくなります。そもそも、先生が常にいればイジメは起きにくくなります。
 イジメられっ子がイジメの相談をしやすくするためには、やはり「相談の練習」からだと思います。米国では生徒はカウンセラーの相談を義務づけていると聞きます。日本も義務づけるといいのです。
 実際には、子供の生徒は、学校の先生やカウンセラーなどの大人の前では本音を話すのは難しいでしょう。大人に相談すると、他の大人達にバラされるのではないかとか、ホームルームで自分のことをとり上げられて話されるのではないかと不安になるからです。
 子供はマネして学ぶ方が得意なため、あらかじめ、嫌なことがあったら先生や相談員にすぐに相談できるように、子供がマネできやすいようにイラスト入りのプリントや動画などを作って幼稚園や小学校低学年の頃から助けを求める事への重要性を伝えることが大事だと思います。
 イジメに合った子供達は大人になってからなぜあの時周囲の大人に助けを求めなかったのだろうと言う場合が多いですが、大人になってから、イジメっ子にされた行為は立派な犯罪行為だと、惜しくも大人になってから分かるからです。
 先生方も、子供が助けを求めるまでは決して、イジメは把握できません。また、子供の方でも大人しい子供は告げ口ができません。イジメは起きるものだと仮定して学校運営をすべきです。
 そもそも、学校の先生やクラスメイトが選べないのに教室内に敷き詰めて、一時間おきに、学校の外には出れない休み時間を与えられると、子供は孤立化するのを恐れて無理して友人を作りはじめます。ここでグループ化した中で浮きはじめた子供がイジメの対象になりやすいのです。
 もはや学校の先生やクラスメイトが選べないのであれば小・中学校へ行くのを義務化すべきではないとさえ感じます。ネットを使った自宅学習も考慮すべきです。
 小1〜中2まで長い間イジメに合っていたというメンタリストのダイゴさんが、「イジメはクラスの平均人格から逸脱している人におきやすい」と話していました。例えば大人しい人の集団の中に活発な人がいると浮くのでイジメに合いやすくなるとの事です。「平均人格」というのはある意味的を射ています。大人しい人は大人しいクラスに、活発そうな人は活発なクラスという風にクラスを作るのも一理あります。
 よく新学期になると学校に行きたがらないイジメられっ子の子供も多くいるので、学期ごとにクラス替えを行ってもいいのではないかと思います。子供が感じる一年は長いです。席替えひとつとっても、嫌な人の隣になるのではとヒヤヒヤしている子供もいます。クラス内でのアンケートも後ろからプリントを回収すれば前の席の人に見られたりするので正直に書けませんし、今はネットでアンケートをとるのかもしれませんが、やはり一人一人面談して正直に悩みを話してもらう事や相談することを恥と思わない事を伝えないといけません。
 日本は「恥」を恐れる文化なので、ここは変わらないといけないと思います。
 子供のイジメは、大人の世界では犯罪に当たります。子供はクラスメイトをイジメても先生に注意をうける程度で済んでしまいます。
 正直な所「イジメ得」なのです。イジメでストレス発散しても何の罰則もありません。例えばイジメたら、親の会社に通告がいって、親の給料が下がるとかいう罰則があってもいいくらいです。
 大人の世界でも被害者は3年以内に訴えなければ時効になってしまいます。これは、子供の頃から、こういった多少の法律のしくみを教えるのもいいと思います。いかに人に相談して訴える事の重要さが大切かを教えるべきです。
 子供の頃のイジメで大人になってから精神病が発生し、イジメっ子を訴えて数百万支払ってもらった例がありましたが、子供達にも、人をイジメると、大人になってからこのようなペナルティがあると教えるべきです。
 美輪明宏氏が「イジメ」という言葉をやめて「犯罪」にした方がいいと言っていましたが、言葉の持つイメージも確かに大事です。特に子供には効くはずです。
 イジメに合っていなくても普通に学校に通っているだけで大変なストレスです。学校の先生のやる気のない授業を聞かされ、黒板写しマシーンのようになっても、運よく仲のいい友人でも出来ればまだマシですが、無理して合わせなければならない場合(魂の売春というそうですが)はっきりと病気にならずとも未病(病気の一歩手前)を抱えてしまう子供達は多くいます。
 生徒から見た学校の先生に対するアンケートも実施すべきですし、学校内でイジメなどのアンケートを回収しても、先日の中3刺傷事件のように「イジメがある」と事前に記入してても、もみ消されてしまうので、学校とは別の機関(こども庁?)で回収して実状を把握して学校に注意を促すというのも今後はいいかもしれません。
 私は子供のイジメの中で、最も人に相談しにくいのが、性的ないやがらせかと思います。これも被害に合ったらすぐ相談出来るように相談は恥ずかしくないと教えるべきです。
 まずはイジメが発生しやすい休み時間などに先生やPTAの母兄など誰か大人がいてもらえるように(監視カメラもつけて)出来ればいいと思います。一人の先生が何十人ものクラスを一年かかえるのも無理があります。午前、午後に先生を変えて負担をなくすとか、とにかく教室内を生徒だけの危ない密室にするのはよくないです。大の大人でもこんな文化圏に身をおいたらイジメは発生します。
 先生にも、イジメられっ子から相談をうけた場合、イジメっ子への注意の仕方こそに注意をしないと、さらなるイジメに発展しかねないので子供への対応法を学ばないといけません。